【会社員エンジニア向け】副業・独立後の収入を最大化!エンジニアのための資産形成・投資入門
副業・独立で収入が増えたら?考えたい「お金の育て方」
会社員としての働き方に課題を感じ、副業や独立といった自由な働き方に関心をお持ちのことと思います。実際に動き出し、運良く案件を獲得できたり、サービスが収益を上げ始めたりして、会社からの給与以外の収入が得られるようになると、収入の選択肢が増えたことを実感されるでしょう。
しかし、ここで一つ考えたいことがあります。それは、「稼いだお金をどうするか」ということです。会社員時代とは異なり、収入が安定しない可能性や、将来への備えを自分自身で行う必要が出てきます。単に稼ぐだけでなく、将来の安定やさらなる自由を実現するためには、収入を賢く活用し、「お金を育てる」という視点が非常に重要になります。
この記事では、エンジニアの皆さんが副業や独立で得た収入を、長期的なキャリアの自由と安定につなげるための、資産形成や投資に関する基本的な考え方と具体的な戦略について解説します。お金の管理は苦手、投資は難しそう、といった不安をお持ちの方にも分かりやすく、まずは何から始めるべきか、どのような選択肢があるのかをお伝えできれば幸いです。
なぜエンジニアが資産形成・投資を考えるべきなのか
フリーランスや副業での働き方は、会社員に比べて収入の変動が大きい可能性があります。案件が途切れたり、体調を崩したりといったリスクも存在します。また、会社員であれば受けられる福利厚生や退職金といった制度も基本的にはありません。
将来にわたって安定した生活を送るためには、現役時代に得た収入を計画的に管理・活用していく必要があります。特にエンジニアという職業は、技術の変化が非常に速く、常に学び続ける自己投資が欠かせません。このような特性を踏まえ、稼ぐ力を維持・向上させつつ、並行して資産を形成していくことが、長期的なキャリアの自由度を高めることに繋がるのです。
資産形成や投資は、単に資産を増やすことだけが目的ではありません。万が一の事態への備えになったり、将来やりたいこと(例えば、特定の技術分野の研究に集中する期間を設ける、新たな事業に挑戦する、早期リタイアなど)を実現するための選択肢を増やしたりする手段となり得ます。
まずはここから!資産形成の基本ステップ
資産形成や投資と聞くと、難しく感じるかもしれませんが、まずは身近なことから始めるのが重要です。
1. 収支を正確に把握する
副業や独立を始めると、収入源が複数になったり、経費が発生したりします。まずは、収入と支出を正確に把握することが基本中の基本です。
- 収入: 会社からの給与、副業・独立からの売上などを全てリストアップします。
- 支出: 生活費(家賃、食費、光熱費など)に加え、事業に関する経費(ツール利用料、通信費、交通費、勉強代など)を漏れなく記録します。
会計ソフトや家計簿アプリなどを活用すると、収支の把握が効率的に行えます。正確な収支を把握することで、無駄な支出を見つけたり、将来に回せる金額を把握したりすることができます。
2. 生活防衛資金を確保する
フリーランスや副業の場合、収入が一時的に途絶えるリスクがあります。そのため、万が一に備えて、すぐに使える「生活防衛資金」を確保しておくことが非常に重要です。
目安としては、生活費の3ヶ月〜6ヶ月分(安定してきたら1年分)を、すぐに引き出せる銀行預金などで確保しておくと安心です。この資金があると、収入が減った時期でも焦らずに立て直しを図ることができます。
3. 借金(高金利なもの)を返済する
住宅ローンや教育ローンなどの低金利なものを除き、消費者金融からの借入など、金利の高い借金がある場合は、優先的に返済することをおすすめします。高金利の借金は、どんな投資よりも高いリターンを得ないとプラスになりません。借金をなくすことが、最も確実な「資産を減らさない」ためのステップです。
忙しいエンジニアでも取り組みやすい!代表的な資産形成・投資手法
基本的なステップを踏まえた上で、いよいよ資産を増やすための「投資」について考えてみましょう。様々な方法がありますが、ここでは比較的取り組みやすく、多くのエンジニアにも適している可能性のある手法をご紹介します。
自己投資:最もリターンが高い投資先?
エンジニアにとって、自身のスキルや知識への投資は、最も確実でリターンが高い「投資」と言えるかもしれません。
- スキルアップ: 新しい技術の習得、既存技術の深化。
- 情報収集: セミナー参加、技術書・有料情報の購入。
- コミュニティ活動: 他のエンジニアとの交流、ネットワーキング。
技術の変化が速いIT業界で、常に市場価値の高いエンジニアであり続けるためには、自己投資は欠かせません。副業や独立で得た収入の一部を、惜しみなく自己投資に回すことは、将来の収入アップに直結する可能性が高いです。
事業への再投資:稼ぐ力をさらに伸ばす
フリーランスや個人事業主として活動している場合、事業を拡大・効率化するための再投資も重要です。
- 高性能なPCや機材の購入: 作業効率の向上。
- 有料ツールやサービスの利用: 業務の自動化や質の向上。
- 外注: 苦手な業務やノンコア業務を任せることで、より高単価な業務に集中。
事業への再投資は、直接的に収益増に繋がりやすく、自己投資と同様に優先度が高い投資と言えます。
金融資産への投資:NISA・つみたてNISAを活用する
自己投資や事業への再投資と並行して検討したいのが、金融資産への投資です。特に、国が推奨している税制優遇制度であるNISA(少額投資非課税制度)や、その積立版であるつみたてNISAは、初心者でも始めやすく、忙しいエンジニアに適しています。
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NISA/つみたてNISAとは?
- 投資で得た利益(運用益や配当金)にかかる税金が非課税になる制度です。通常、利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座内で運用すれば税金がかかりません。
- つみたてNISAは、特に長期・積立・分散投資に適した投資信託が対象で、毎月一定額を自動的に積み立てる仕組みがあり、投資タイミングに悩む必要がありません。
- 年間投資枠や非課税期間など、制度には一定の制限がありますが、税金のメリットは非常に大きいです。
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具体的な始め方:
- 証券会社にNISA/つみたてNISA口座を開設します。(通常の証券口座とは別に手続きが必要です)
- 投資対象を選ぶ:つみたてNISAの場合は、金融庁が定めた要件を満たす投資信託の中から選びます。全世界株式やS&P500などのインデックスファンドは、幅広い銘柄に分散投資でき、信託報酬(運用コスト)も低い傾向があるため、初心者にとって有力な選択肢の一つです。
- 積立設定をする:毎月の積立金額と引き落とし日を設定すれば、あとは自動的に投資が行われます。
NISA/つみたてNISAは、少額から始められ、一度設定すれば手間がかからないため、本業や副業で忙しいエンジニアでも無理なく続けやすい方法です。もちろん元本保証はありませんが、長期・積立・分散投資を心がけることで、リスクを抑えながら資産形成を目指せます。
その他の投資:不動産など
不動産投資なども資産形成の手段としては考えられますが、初期費用が大きい、管理の手間がかかる、流動性が低い(すぐに現金化しにくい)といった特徴があります。リモートワークを主体とするエンジニアの場合、場所に縛られない働き方を選択しやすいメリットを活かすなら、金融資産への投資の方が親和性が高いかもしれません。ご自身の状況やリスク許容度に応じて慎重に検討する必要があります。
投資におけるリスクと注意点
投資には、当然ながらリスクが存在します。
- 元本割れリスク: 投資した金額を下回ってしまう可能性があります。
- 価格変動リスク: 市場の状況によって、資産の価値が変動します。
- 為替変動リスク: 外貨建て資産に投資する場合、為替レートの変動によって価値が変わります。
これらのリスクを理解した上で、許容できる範囲で投資を行うことが重要です。
- 短期的な値動きに一喜一憂しない: 特に積立投資の場合、一時的な価格下落は安く買えるチャンスと捉え、長期的な視点を持つことが大切です。
- 分散投資: 複数の資産クラス(株式、債券など)や地域に分散して投資することで、リスクを低減できます。投資信託は、それ自体が多くの銘柄に分散投資しているため、手軽に分散効果を得られます。
- 詐欺に注意: 「絶対に儲かる」「元本保証」といった甘い話には乗らないようにしましょう。信頼できる情報源から情報を得ることが重要です。
まとめ:稼ぐ力とお金を育てる力で自由なキャリアを掴む
副業や独立によって収入の選択肢が増えることは、間違いなく「選択肢フリーダム」な働き方への大きな一歩です。しかし、その自由度を将来にわたって維持・拡大するためには、単に「稼ぐ力」だけでなく、「お金を育てる力」も同時に磨いていく必要があります。
まずは、日々の収支を把握し、生活防衛資金を確保するといった基本的な「守り」のステップから始めてみましょう。そして、自己投資や事業への再投資で「稼ぐ力」をさらに高めつつ、NISA/つみたてNISAなどを活用した金融資産への投資で「お金を育てる力」を身につけていくことを検討してみてください。
投資は魔法ではありませんし、リスクもあります。しかし、正しい知識を持って計画的に取り組むことで、将来の不確実性に対する備えとなり、あなたのキャリアとライフスタイルの自由度を大きく広げてくれるはずです。最初の一歩は小さくても構いません。今日から、ご自身のお金について考え、行動を始めてみるのはいかがでしょうか。